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まえがき

SAD(social anxiety disorder 社会不安障害・社交不安障害)という病気がございます。ハイカラな名前になってますが、「対人恐怖症」という名前で昔からあった病気やそうです。ただ、精神科は今もそうですが以前はもっと行きにくいとこで、自覚症状はあっても我慢したり諦めたりしてた方が多かったようです。「気が弱い」「内気」「上がり症」、それくらいのことで精神科とはご大層な、そんなことやったんですなぁ。民間療法をためしてみたりしても結局たいした効果もない。そこで、手近なアルコールに辿り着く、そんなパターンも多いんやそうです。何を隠そう私(八五郎)もその一人でございました。精神安定剤としてウィスキーを常用しだして十五六年にもなりましたか。予期せぬできごとがあってウィスキーと決別したのはよかったんでございますが、何事も決別には痛みが付きもの。アルコールの離脱症状に見舞われ、かてて加えて少年の頃からのSADが表に出てきてしもたんです。泣きっ面に蜂状態ですわな。ことここに至ってては仕方ございません。清水さんの舞台から飛び降りる覚悟で精神科のクリニックに予約を入れまして、治療が始まったのでございます。
重い話題でございますが、上方落語のノリでご機嫌を伺おうという算段でございます。これを読んで、SADのお方が一人でも多く、「ほな、わしも精神科へ行ってみよか」と思ってくだされば、これに過ぎたる喜びはございません。SADでないお方にも、「SADとはそういう病気なんかぁ」とご理解して頂ければと思うておるようなことでございます。
(
お断り 登場する人物・発言内容は相当デフォルメ・アレンジされていて、「これはフィクションです」とお断りするのが妥当かも知れません。)                by  八五郎  謹言



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