2011年4月11日月曜日

その14 SAD 一病息災 (2008.4.28)


[登場人物]
八五郎  先生  八五郎の家内


■こんちわぁ。先生、こないだの血液検査の結果はどないでっしゃろか。
★ここに、報告書がありますでな。ほほぉ~、ふん、ふん、なるほど。
■ちょっと、一人で納得してんと、わたいにも教えとくなはれな。

★立派なもんです。γ-GTP(ガンマーGTP)というのは、100台まで下が
るのは速いんですが、そこからがなかなか下がりにくいもんなんです。
ところが、あ~たのこの検査結果、49と言うのは、いやぁ、立派なもん
です。まったくの正常値です。あ~たが約束守れる方やというのがよっ
く分りました。

■わぁ、そない誉められるとまた照れるなぁ。照れるけど嬉しなぁ。先
生、わたいが誉められて伸びる性質(たち)やちゅうのを見抜いてまんなぁ。
よっ、名医。★そう言われると次が言いにくいんですがな、中性脂肪だ
けが少し増えてますなぁ。

■ウィスキー止めたんで昼間にちょいちょい菓子つまんだりしまんねや
なぁ。あれが原因でっしゃろか。★そうそう、そうやって自己分析でき
るちゅうのも大事なことですでな。■何でも誉めてくれはりまんなぁ。
頑張ろちゅう気にさせるとこが、憎いなぁ。

★昔は無病息災とか言いましたがな、今や「一病息災」。病気を治そう
として自身の健康管理、体調管理に気を配るようになる。これがえーん
です。自律神経も自ずと整うてきますでな。これからもこの調子でやっ
てもらうと有難いです。

■へぇ、おおきに。前は鼻かんでも血が出たりしてたんがこの頃はそん
なことないようになったし、天麩羅やフライ食べても胃もたれせんよう
になりましてん。チーズ食べても腹下りまへんし、ええことずくめです
わ。

★アルコールの摂りすぎは粘膜を傷めますからな。酒量が減った分、粘
膜も回復してきたんでしょうな。結構、結構。■結構毛だらけ、猫灰だ
らけ。「一病息災」バンザーイ。

★ソラナックスも今の分量なら依存症の心配もありませんが、まだまだ
量は減っていくでしょう。今まで避けてたようなことにもいろいろ挑戦
してもらうとえーかと。■ほんま、先生(せんせ)のお陰ですわ。これから
もよろしゅうに。

■ただいまぁ。今帰ったでぇ。○えらい早うおましたな。■ああ、今日
も一番やったさかいな。先生に49や言うて褒めてもろたで。○49? 
言うてまんの、あんた来年還暦やおまへんか。

■歳やないがな、ガンマー何とかいうんが49になったんや。「あんたは
エライ、約束守れるお人や」て褒められてしもた。○何や分からんけど
そらよろしおましたな。それはそうと頼んどいたもん買うて来とくなは
った? 

■あっ、それ、忘れた。○あんだけ頼んどいたのに。買い物して帰って
きたにしては早いなぁと思いましたんや。どこが約束守れるお人やねん。
■面目ない。今日のとこは、ガンマー何とかに免じてガマーンしといて。


〔補 足〕
・昔は無病息災、今や一病息災。健康と元気に任せて我武者羅に働いて
いると墓穴を掘る。身体と心は元で繋がっているから、両方のケアが
大切。アルコールの離脱症状とSADで知らされた貴重な格言。

・以前は朝の洗顔時に吐き気を催したり、鼻血が出たりしていたが、そ
 れらがなくなった。慢性的な下痢症状もなくなる。この時点で、アル
コールの弊害から脱却。まだデプロメールとソラナックスの世話には
なっているが、アルコールと置き換えられただけでも儲けもの。バイ
クも車も遠慮なく乗れるし。

・家内や息子はとっくの昔に八五郎が病人であることを忘れたかのよう。
「今まで避けてたようなことにもいろいろ挑戦してもらうとえーかと」
 という先生の言葉を待つまでもなく、元通りの仕事をさせられている。



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