[登場人物]
八五郎 八五郎の家内■我ながらよう続いとんなぁ。ウィスキーやめてもうじき三週間か。ちょっとも呑みたいとは思わんけど、朝顔洗う時に何や頭がキューッと縮むような感じがすんねやなぁ。バイク乗ってる時も、時々口元がピクピクしよる。気色わるいであれわ。
○あんた、晩ご飯できました。■ハイヨ。さてと、晩酌は遠慮せんでええねん。酒のない晩飯てなもんは涙出よるさかいなぁ。○今日の肴は鰹のたたきでっせ。■ああ、極楽ごくらく。まだまだこの暑い時期は冷酒やねぇ。おっとっとと、きゅ~っ。ああ、旨い。○あんた、無理したはんのとちゃうの。
■何が? ○ウィスキーでっしゃないか。なんや昼間、ちょっと元気ないように思いまっけど。■そうかぁ、そう見えるかい。いやな、何や妙に落ち着かん気分ではあるねん。それが、こうやって晩酌するとふうっと軽うなって、頭の後ろから首にかけての凝りがほどけていくんやなぁ。○禁断症状ちゅうのとちゃいますか、それ。
■そんなあほな。アル中の人間の禁断症状ちゅうのは、酒やめて三日目から強烈なやつが出るらしいで。わしの場合は、ちゃうやろ・・・と思う。○無理せんでよろしいねんで。もう久七も一人前、バイクで行かんならんとこはあの子に任して、あんたは歩いて行けるとこだけのんびり行かはったら・・・。
■いや、ウィスキーはちょっとも呑みたいとは思わんねや。もうちょっとしたら、体も慣れてくるやろ。ウィスキーから離脱できたら、解脱もそう遠いこっちゃないで。
〔補 足〕
・「解脱」・・・仏の覚を開くこと。
・八五郎は妻の前では強がっていたが、実はアルコールの離脱症状のこ
とも、緊張で声が震える持病のことも、インターネットでいろいろ調
べていたのだった。ただ、よく書かれているような幻視・幻聴などは
八五郎にはなかった。
八五郎の名誉の為に断っておくが、彼には酒乱の気など一切ない。は
しご酒や連続飲酒の癖もなく、甚だ行儀のよい酒呑みである。
・八五郎は妻の前では強がっていたが、実はアルコールの離脱症状のこ
とも、緊張で声が震える持病のことも、インターネットでいろいろ調
べていたのだった。ただ、よく書かれているような幻視・幻聴などは
八五郎にはなかった。
八五郎の名誉の為に断っておくが、彼には酒乱の気など一切ない。は
しご酒や連続飲酒の癖もなく、甚だ行儀のよい酒呑みである。
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アルコール依存症関係
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