2011年3月3日木曜日

その5  心が折れそうだった (2007.10.5)




[登場人物]
八五郎 

■ああ、難儀ななぁ。イライラするし落ち着かんし。考えんようにしょうと思ても気ぃついたら同じことばっかり考えてしもてる。予期不安の自己増殖ちゅう奴や。かなんなぁ、まともな思考力がないがな。来月は頼まれてる原稿もあるのに、な~んも浮かんでこんわ。バンザイ、お手上げぢゃ。

■何食べても砂噛んでるような感じで食欲もないなぁ。体重減ったんは嬉しいけど、食欲不振で減ってるだけやさかいなぁ。テレビも新聞も見たいことないし、晩も不安で眠られへん。どうせ眠られへんねやさかいに、この際思いっきり難しい本でも読んでこましたろか。そないでもせんことには、落ち着かんがな。あ~、たまらん。早いとここころの診療所行きたいけど、予約の日までまだ四日もあるで。

■昨日なんか檀家のおばあちゃんに、「ご院さん、元気出しとくなはれや、頼りにしてまんねんから」て言われたで。あのおばあちゃん、加減悪うて手押し車にしがみついて医者通いしたはんねや。あの人から見ても、悲惨に見えてんねやがな。歳いった病人さんに励まされるちゅうのは、嬉しいような悲しいような。申し訳ないこっちゃで。

〔補 足〕
・クリニックへの予約を入れてから通院開始までの一週間が一番辛い時期だった。折れかけた状態で一週間待たされるのだから。
・不安をもてあました八五郎は、どのような薬が処方されるのか、インターネットで調べてみた。
  SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)
  ベンゾジアゼビン系抗不安薬
  β遮断剤
 上記三種類の薬が使われることは「SAD総合情報サイト」で確認済みだった。

・β遮断剤はインデラルもその一つだから八五郎は経験済みである。もともとは高血圧の治療薬で、八五郎のようにSAD症状の出る場面が限定されている患者には有効らしい。が、うつ病を起すリスクも指摘されている。
参考URL
SSRIは抗うつ剤だが、200510月にSAD治療薬としても保険適用となったらしい。フルボキサミン(商品名 デプロメール、ルボックス)。
参考URL
・ベンゾジアゼビン系抗不安薬。アルブラゾラム(商品名 ソラナックス、 コンスタン)。参考URL




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